和歌山県の南部、南紀と呼ばれるこのエリアは、日本でも屈指のスケールを持つ旅の地です。
白い砂浜と透明な海が広がる南紀白浜。串本沖に1kmにわたって連なる橋杭岩の奇岩群。本州最南端・潮岬の先端から見渡す太平洋の広大さ。そして世界遺産・熊野古道の終着点、熊野本宮大社——。これだけの名所が、一本の国道42号線と国道311号線を走るだけで順番に現れてきます。
南紀の旅は、走るほどに景色が変わります。大阪方面から南へ向かうほど、海の色が深くなり、空が広くなり、日差しが強くなる感覚があります。白崎海洋公園の白い断崖で「南紀に来た」と感じ、白浜のリゾートで「ここが関西の最南端か」と思い、橋杭岩の朝日に圧倒され、潮岬の先端に立ったとき「本州最南端まで来た」という達成感が滲んでくる——そういう旅です。
17ヶ所の道の駅は、大阪方面からの南紀への入口から、熊野の深部まで、南紀の旅のルート全体にわたって点在しています。
このエリアの道の駅一覧
紀北・日高エリア|大阪方面から南紀への北の玄関口
- 道の駅 白崎海洋公園|日高郡由良町。石灰岩の白い断崖と紺碧の海が出会う「和歌山のエーゲ海」。南紀ルートの北の玄関口として、最初の感動を与えてくれる場所です。
- 道の駅 みなべうめ振興館|日高郡みなべ町。南高梅の故郷・みなべ町の道の駅。日本一の梅の産地で梅製品を揃えます。
- 道の駅 紀州備長炭記念公園|日高郡みなべ町晩稲。日本最高峰の木炭文化「紀州備長炭」の産地に立つユニークな道の駅。炭の体験も楽しめます。
- 道の駅 水の郷日高川 龍游|日高郡日高川町。日高川の清流沿いに立つ道の駅。アユ・ウナギなど川魚グルメと夏の川遊びが名物です。
- 道の駅 しらまの里|日高郡日高町。温泉施設が隣接する山里の道の駅。南紀の海への旅の途中に立ち寄り湯として重宝します。
田辺・白浜エリア|熊野古道と南紀リゾートが交差する
- 道の駅 熊野古道中辺路|田辺市中辺路町栗栖川。世界遺産・中辺路の情報拠点。古道歩きの出発点として、また南紀白浜への山側のアクセス拠点として機能します。
- 道の駅 ふるさとセンター大塔|田辺市大塔町。富田川の清流沿いの静かな山里の道の駅。南紀へ向かう旅の中継地として使いやすい立地です。
- 道の駅 San Pin 中津|西牟婁郡上富田町中津。白浜温泉と熊野古道中辺路のちょうど中間に位置する農産物直売の道の駅です。
- 道の駅 椿はなの湯|西牟婁郡白浜町椿。白浜温泉のひとつ手前、椿温泉が湧くツウ好みの道の駅。温浴施設が隣接しています。
串本・熊野エリア|南紀の絶景と熊野の深みへ
- 道の駅 イノブータンランド・すさみ|西牟婁郡すさみ町。「イノブータン王国」という遊び心あるコンセプトの個性的な道の駅。近海のケンケン鰹が名物です。
- 道の駅 すさみ|西牟婁郡すさみ町。ケンケン鰹と新鮮な南紀の海の幸が揃う海辺の道の駅。近くにはすさみ海立体博物館もあります。
- 道の駅 一枚岩|東牟婁郡古座川町小川。高さ100m・幅500mの一枚の巨大な岩壁が川沿いにそそり立つ天然記念物の景勝地です。
- 道の駅 虫喰岩|東牟婁郡古座川町佐田。表面が穴だらけの不思議な天然記念物の岩。一枚岩とセットで「古座川奇岩めぐり」が楽しめます。
- 道の駅 瀧之拝太郎|東牟婁郡古座川町小川。古座川上流の清流と修験の滝が待つ山里の道の駅です。
- 道の駅 たいじ|東牟婁郡太地町。クジラの里・太地町の道の駅。世界に名を知られる捕鯨文化の地で、クジラ料理も楽しめます。
- 道の駅 奥熊野古道ほんぐう|田辺市本宮町。世界遺産・熊野本宮大社の門前に立つ道の駅。めはり寿司・熊野牛など熊野の食が揃います。
- 道の駅 瀞峡街道熊野川|新宮市熊野川町。熊野川沿いに立ち、瀞峡へのジェット船体験の出発拠点となる道の駅です。
このエリアで行きたい場所
南紀白浜|関西最大のリゾート、白良浜と温泉の街
白良浜の白い砂浜とエメラルドグリーンの海、三段壁の断崖、円月島の夕景——南紀白浜はどこを切り取っても絵になる、日本を代表するリゾート地です。日本最古の温泉地のひとつでもある白浜温泉の「崎の湯」は、太平洋を真正面に見ながら入れる絶景露天風呂として知られています。南紀の旅で「一泊するならどこか」と問われれば、多くの旅人が白浜を選ぶほどの存在感があります。
橋杭岩|串本沖の奇岩、朝日が特別に美しい場所
串本沖に1km以上にわたって並ぶ大小40余りの奇岩の列・橋杭岩は、国の天然記念物です。弘法大師と天の邪鬼が一夜で橋を架けようとしたという伝説が残る岩の列は、日の出の時刻に逆光でシルエットになる姿が特に神秘的な美しさを持ちます。橋杭岩の朝日を目当てに早朝から来る旅人が後を絶たないほど、「一度は見ておきたい景色」として定着しています。
潮岬|本州最南端、太平洋の広大さに圧倒される岬
本州の最南端に位置する潮岬の先端に立つと、正面に太平洋が広がるだけの世界になります。灯台と芝生の広場、吹き付ける太平洋の風——「ここまで来た」という達成感は、南紀の旅のクライマックスにふさわしい場所です。
熊野古道と熊野本宮大社|世界遺産の参詣道と聖地
世界遺産に登録された熊野古道は、今も世界中のハイカーが歩き継いでいる現役の参詣道です。中辺路・小辺路・大辺路と複数のルートがあり、田辺から熊野本宮大社へ続く中辺路が最も歩かれています。熊野本宮大社は熊野三山のひとつとして、古来から「蘇りの地」として信仰を集めてきた聖地です。道の駅奥熊野古道ほんぐうがその玄関口となっています。
瀞峡|三県にまたがる峡谷美、ジェット船で遡る
三重・奈良・和歌山の三県にまたがる峡谷・瀞峡は、垂直に切り立った岩壁が川を挟んで迫る、日本一とも評される峡谷美を持ちます。道の駅瀞峡街道熊野川を起点に、熊野川をジェット船で遡る体験は南紀でしかできない特別な体験です。
古座川の奇岩群|一枚岩・虫喰岩・瀧之拝の清流
古座川流域には個性的な奇岩が点在しています。川沿いにそそり立つ高さ100mの巨大岩壁・一枚岩、表面が虫食い状に穴だらけの天然記念物・虫喰岩——全く異なる個性を持つ奇岩を「古座川奇岩めぐり」として一日で回ることができます。清流での川遊びと合わせた夏の旅として特に人気があります。
太地のクジラ文化|世界が注目する、日本の伝統捕鯨の里
日本最古の捕鯨の歴史を持つ太地町は、クジラを食べ、クジラとともに生きてきた独自の文化を持つ小さな漁師の町です。太地町立くじらの博物館では捕鯨の歴史と鯨類の展示が見られ、クジラ料理も楽しめます。旅に「他にはない体験」を加えたい方には、太地は外せない場所です。
おすすめ周遊ルート
【南紀海岸線 王道コース・1泊2日】白浜から潮岬まで
> 1日目:(出発道の駅) → 南紀白浜(白良浜・三段壁・温泉・宿泊) > 2日目:白浜出発 → 橋杭岩(朝日) → 串本 → 潮岬(本州最南端) → 帰路
南紀の旅の定番にして完成形です。白浜で一泊して、翌朝早く橋杭岩の朝日を目指して走り出す。この一泊二日を経験した人が、南紀の旅の虜になります。
【奇岩制覇コース・1日】白崎・一枚岩・虫喰岩・橋杭岩
> 道の駅 白崎海洋公園(白い断崖) → 道の駅 一枚岩(川沿いの巨大岩壁) → 道の駅 虫喰岩(穴だらけの奇岩) → 串本(橋杭岩・朝日 or 夕陽)
白い石灰岩の断崖・川の巨大岩壁・穴だらけの奇岩・海の岩列と、全く異なる四種類の「奇岩」を一日で巡る個性的なルートです。
【熊野古道・南紀コース・1泊2日】聖地から海へ
> 1日目:道の駅 奥熊野古道ほんぐう → 熊野本宮大社(参拝)→ 熊野古道中辺路(一部歩行)→ 南紀白浜(宿泊) > 2日目:三段壁 → 橋杭岩 → 潮岬 → 帰路
熊野の聖地から始まり、古道の空気を感じながら白浜のリゾートへ下りてくる——山と海のコントラストが際立つ南紀の王道コースです。
【瀞峡・熊野三山コース・1泊2日】紀伊山地の深みへ
> 1日目:道の駅 瀞峡街道熊野川(瀞峡ジェット船)→ 熊野本宮大社 → 勝浦温泉(宿泊) > 2日目:熊野速玉大社(新宮)→ 熊野那智大社・那智の滝 → 道の駅 たいじ(太地のクジラ文化)→ 帰路
熊野三山を世界遺産の参詣道の雰囲気とともに巡る、南紀の深みに触れる一泊二日です。
白浜・串本エリアのグルメ
南高梅と紀州の梅製品:みなべ町は南高梅の発祥地。道の駅みなべうめ振興館では、梅干し・梅酒・梅ポン酢・梅スイーツと、梅製品の選択肢が圧倒的に揃います。産地ならではの品質と種類の豊かさは、土産物選びで迷うほどです。
紀州備長炭:日本一の品質とされる紀州備長炭は、みなべ・田辺エリアの伝統産業。道の駅紀州備長炭記念公園では炭焼き体験もでき、旅の「ここだけ体験」として価値があります。
ケンケン鰹:すさみ町だけが持つ伝統漁法・ケンケン漁で獲れる鰹は、一本釣りのため魚体への傷が少なく、身が締まっています。道の駅すさみ・イノブータンランドでその旨みに触れてください。
めはり寿司と熊野牛:大きな高菜の葉でご飯を包んだ熊野の郷土料理・めはり寿司は、道の駅奥熊野古道ほんぐうでの定番グルメです。熊野牛はきめ細かい霜降りと深い旨みを持つ紀州のブランド牛で、周辺の食事処で味わえます。
太地のクジラ料理:クジラの里・太地町では、クジラの刺身・ベーコン・竜田揚げなど多彩なクジラ料理が楽しめます。クジラ文化の土地でこそ食べたい一品です。
日高川のアユ・ウナギ:日高川の清流で育ったアユとウナギは、道の駅水の郷日高川 龍游周辺の食事処で楽しめます。産地の川魚の旨みは格別です。
このエリアの温泉
白浜温泉(白浜町)
日本最古の温泉地のひとつとして知られ、「天下の名湯」の称号を持ちます。太平洋を目の前に見ながら入れる露天風呂「崎の湯」は、南紀を代表する絶景温泉です。宿泊施設・日帰り温泉ともに充実しており、南紀の旅の宿泊拠点として最も選ばれる場所です。
椿温泉(白浜町椿)
白浜温泉ほど有名ではありませんが、ツウが好む素朴な温泉として知られています。道の駅椿はなの湯に隣接しており、旅の途中に気軽に立ち寄れます。
勝浦温泉(那智勝浦町)
南紀東部の温泉地。ホテル浦島の洞窟温泉など個性的な温泉施設で知られ、南紀熊野の旅の宿泊拠点として機能します。
こんな方におすすめです
- 橋杭岩の朝日という南紀随一の絶景を目指したい方
- 南紀白浜の白良浜で泳ぎ、白浜温泉に浸かりたい方
- 本州最南端・潮岬まで走り切りたいライダー・ドライバーの方
- 世界遺産・熊野古道を実際に歩いてみたい方
- 熊野本宮大社を参拝して、南紀の聖地を旅のテーマにしたい方
- 古座川の一枚岩・虫喰岩など個性的な奇岩を巡りたい方
- ケンケン鰹・南高梅・クジラ料理など南紀ならではのグルメを楽しみたい方
- 瀞峡のジェット船という非日常体験をしてみたい方
まとめ
白浜・串本エリアは、日本の旅の中でも「ここでしかできない体験」が特に多いエリアです。
橋杭岩の朝日・潮岬の太平洋・熊野古道の古道歩き・瀞峡のジェット船・太地のクジラ文化——これだけのオンリーワン体験が、一本の道を南へ走るだけで順番に現れてきます。南紀の旅は、一度行くと繰り返したくなる場所です。
17ヶ所の道の駅はそれぞれ個性が異なりますが、いずれも南紀の豊かさへの入口として機能しています。まずは気になる道の駅のページを開いて、南紀の旅の計画を立てはじめてください。
